仕事

会社を辞めたいけど…辞めれないや言い出せないときの相談窓口

退職代行サービスとは

退職代行サービスとは、現在勤めている会社を辞めるという意向を、自分の代わりに会社側に伝えてもらい、退職をスムーズに行うためのものです。

本来、退職する場合は、本人が直属の上司に直接意向を伝えて、必要な引継ぎの後に退社するものです。しかし、最近はいろいろな事情により、第三者を挟んで退職手続きをした方が安心というケースが多くなっています。

この退職代行サービスを行う会社が多くなってきていますし、弁護士などの法律職が積極的にこうした業務を始めることも多くなっています。

そのため、以前よりもずっと気軽にサービスを利用でき、多くの人が活用するようになっています。テレビなどでも取り上げられることも増えてきていて、サービスのことを知る人が多くなってきたというのも利用が進んでいる一つの理由です。

上手にこのサービスを使うことによって、実務的にも心理的にもスムーズな退職ができることがあります。そのため、そのサービスの中身を確認してみることは大事です。

また、まだ比較的新しいタイプのサービスということもあって、デメリットや注意点も存在します。トラブルなしに退職できるよう、こうした点もチェックしておきたいものです。

なるほど…社員が辞める理由

勤めている職場を辞める理由は人様々です。

より自分のスキルや実績を評価してくれる会社に行きたい、やりたい仕事をしたいという前向きな気持ちで転職する人も多くいます。また、家庭の事情などでどうしても職場を辞めざるを得ないこともあります。

一方で、職場での人間関係が難しくて精神的なストレスが大きい、上司のモラハラで苦しんでいるなどの事情を抱えている人もいます。

さらに、企業全体がいわゆるブラック企業で、残業や休日出勤を強いられる、無理なノルマを課されているなどの苦しみに遭っている人もいるのは事実です。

こうした状況から出るのは、会社を辞めるという手段しかないことも多く、退職する大きな理由となります。

 

強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者割合の推移
出典:平成 30 年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況

 

強いストレスを感じる労働者の主な内容の上位は、

  • 仕事の質・量          59.4%(平成30年) 62.6%(平成29年)
  • 仕事の失敗、責任の発生等    34.0%(平成30年) 34.8%(平成29年)
  • 対人関係(セクハラ・パワハラを含む) 31.3%(平成30年) 30.6%(平成29年)

 

こうした会社では、自分の身を守るために退職するのが一番です。

精神的なストレスだけでなく、身体的にも大きな負担を負わされることも多く、そのまま留まっていると心身共に病んでしまうことになりかねません。確かに会社を辞めるというのは、先行きが見えなくなることであり不安感をもたらします。

しかし、日本国内は全体的に人材不足となっていますし、転職を後押しするいろいろなサービスもあります。そのため、比較的楽に転職先を見つけられるのです。

思い切ってより自分のスキルや能力を生かせる、そして楽しんで働ける仕事場を見つけることが大事です。

安全に解決・退職する方法

上記のように、積極的な理由で辞めるにしろ、自分を守るために辞めるにしろ、簡単には会社を辞められないというケースがあります。単純に、お世話になってきた会社や上司に、退職することを伝えるのが心理的に難しいと感じることもあります。

辞めると言ったら、上司や同僚にどんなことを言われるか分からず、不安でいっぱいになるという人もいます。

また、すでに辞めたいという意向を上司に伝えたことがあるものの、うまく行かなかったというケースもあります。

上司から辞めるなんてとんでもない、とさらにイジメに遭ったり恫喝されてしまったりすることもありえます。さらに、任せた仕事を投げ出していくということになるので、損害賠償の請求をするといった、脅迫まがいのことを言われてしまったという人さえいます。

自分は辞めたいと言っているのに、会社が辞めさせてくれないという問題は、多くの職場で生じているのが現実です。

実際にこうしたことを経験してはいないものの、今までの上司や会社の社員への対応を見てきているので、どうなるかが予想できるということもあります。

パワハラやイジメが普段からひどい職場や、ブラック企業だと、退職したいと言ったら暴言を浴びせられるのは確実ということがあります。また、伝えてから実際に辞めるまで、イジメがひどくなってしまうことが予想されるケースもあるでしょう。

こうした場合に、第三者を挟んで退職の意向を伝えたり、いろいろな手続きや話し合いをしてもらったりするのは、とても役立ちます。

普段パワハラやイジメをしている上司も、職場外の第三者だと、冷静に話を聞いたりこちらの意向を理解したりしてくれることが多いものです。また、会社としてもブラック企業としての評判が立っては困りますので、外部の人にこうした話がいっているというのを知るだけでも、対応が違ってきます。

そもそも、いろいろと嫌な思いをしてきたがために退職したいと思っている人であれば、退職の意向を伝えるために上司と顔を合わせるのが嫌だと感じることも多いものです。

第三者に依頼すれば、顔を合わせることなく意向を伝えられますし、うまく手続きを進めていけば、実際に仕事場を辞めるのも会社に行かずに、そのまま行えることがあります。

心理的な負担をなくすという意味でも、安全に辞められる方法となるのです。

退職代行サービスのメリット・デメリット

退職代行サービスを利用することのメリットとしては、心理的な負担をなくせるというのが一番大きなものです。

顔を合わせるのも辛い上司と話さなくても済みます。退職の意向を伝えるのが難しいと思っているケースでも、自分の代わりに伝えてもらえますので安心です。

第三者に介してもらうことで、スムーズに退職の手続きを進められるというのもメリットとなります。あらかじめ退職した日付やそれまで有給を使うことなどを伝えておくことで、必要な連絡事項も話してもらえます。

さらに、退職に当たって必要な書類なども、代行サービス経由でやり取りできますので、会社に行かなくても退職ができることもあります。

すでに辞めるという意向を伝えてあるのに、なかなか辞めさせてくれないケースでも、大きな助けとなります。

特に弁護士などの法律職が行う代行サービスを利用すれば、労働者の退職する権利の行使を問題なく行えるようになります。そもそも、労働者は特別な契約がない限りは、自分の意思で会社を辞めることができます。

しかし、会社側がその権利を侵害している状況が多々見られます。弁護士が出ることで、会社側も強く言えなくなりますので、確実に退職するのに役立ちます。

一方で、代行サービスを利用するには費用がかかるというデメリットがあります。

明確な料金基準がなく、それぞれの事務所で費用は異なりますが、相場としては2万円から5万円というところです。

代行をする人が弁護士などの法律職か、依頼する業務がどのくらいの範囲に及ぶかによっても料金が変わります。思ったよりも高くなることもありますので、事前にしっかりと確認しましょう。

また、悪徳業者に引っかかってしまうというリスクもあります。

この種の代行サービスを行うには、特に資格や許可は必要ありません。やろうと思えば誰でもできるサービスです。

また、それほどメジャーな業種ではないため、どんな会社に依頼したら安心なのかという情報が入りにくい状況です。こうした状況をいいことに、高い料金だけ取って実際には何もしないということもありますし、無理な交渉を始めて問題を大きくしてしまうこともあります。

しっかりと代行サービス会社をチェックして、安心できるサービスを提供しているところなのかを確認する必要があるのです。

弁護士での退職代行と非弁退職代行業者の違い

退職代行業務を行うにあたって、直接何らかの規制や法令が存在しているわけではありません。そのため、何の資格がない人でもサービスを行うことができます。

しかし、弁護士ではない人が代行サービスを行う場合は、いくつかの制限があります。

というのも、誰かの代理人となって相手と交渉をするという業務は、本来弁護士でなければできないことになっているからです。また、法律的に効力を持つ正式な文書を代わりに作成する業務も、法律職でなければできません。

何の法律資格を持っていない人が、直接交渉をしてしまうと、弁護士法に違反してしまうリスクがあります。そのため、代行サービスとしてどこまでをしてくれるのか、資格を持っている人が扱うのかどうかを確認しておいた方が安心です。

依頼者に何らかの罰則が及ぶことはないにせよ、違反行為をしていることが分かると、退職したいと思っている会社との話し合いがうまくいかなくなってしまう可能性があります。

 

こうしたことから、非弁退職代行業者の場合は、あくまでも依頼者の意向を伝えるという業務だけを行います。

それに対して会社側が反論してきたり、他の条件を提示してきたりしても、代行業者としては会社側の言い分を、さらに依頼者に伝えるだけです。あくまで仲介に徹し、依頼者の代わりに交渉することはできないのです。

一方で、弁護士が退職代行を行う場合は、依頼者の代わりに交渉ができます。

退職金の算定や退職日付の決定、退職日まで有給を利用できるなどの要求を提示して、それを認めてもらうために交渉を行います。

 

また、無理な要求を提示された時には、それが法律的に適正ではないということを伝えて、依頼者の正当性を訴えることも可能です。

そもそも、弁護士が出てくるだけでも、会社側にとっては冷静に、法律に従った形で対応しなければならないという気持ちになりますので、安全に退職できる可能性がずっと高くなります。

 

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まとめ

退職代行サービスは、依頼者の代わりに会社を辞めたいという意向を伝えるサービスです。

弁護士がこの代行業務を行う場合は、依頼者の代わりに退職に当たっての条件を交渉できますので、よりスムーズに退職できます。費用がかかるなどの点もありますが、今勤めている会社を辞めるのが難しそうな時はとても役立つサービスです。

上手にサービスを活用して、退職をスムーズにしましょう。

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